【前回のあらすじ】アラフォーの姉が自動車教習所に通い始めました。そして、姉は自動車教習所の第1段階のペーパー試験に臨みました。
試験時間は30分。すべてが○×の正誤問題です。士業の資格勉強に匹敵するほど教本を熟読し、理解し難い語呂合わせも記憶し、インターネットで見つけた予想問題まで一通り解きました。失敗するはずがありません。
そして、ペーパーテストに挑みました。
……
問題はすべて「常識」問題でした。
教習所に通わなくてもわかる常識問題や、教本の太字部分からしか出題されないような簡単なものばかり。語呂合わせの問題が1つ出たそうです。姉によると、まるで大学受験のために数学を勉強している最中に算数の問題が出されたようなものだったと。
この試験に30分もの時間を与えられて、5分で終えたことによる虚無感。試験が簡単で「ラッキー」と感じることができればそれで終わりですが、費やした時間の虚無感がそれを上回りました。会場からは早く解いた他の教習生の溜息が聞こえるほどでした。
試験時間の残り25分で、姉は問題文を英訳して自らのために難易度を上げていました。もちろん、合格しました。
実車の第1段階試験では、大学生とおばちゃんと三人でグループを組まされましたが、ストレートで合格しました。
ここに来て感じたことは、「この教習所は無駄に教習期間を延ばすことなく、迅速に卒業させたいのではないか」ということです。
確かに、生徒の大半が大学生であるとするならば、先生が厳しくすることは、今時の風潮に合わないかもしれません。
しかし、このような簡単な教習では、実車の運転はともかく、免許センターでの本試験には対応できないでしょう。実際、実車での卒業を許可してしまえば、免許センターで何度落ちてもそれは生徒の自己責任となるでしょう。
座学で記憶した知識を使うことなく、路上教習に臨む姉。果たして姉は免許を取得できるのでしょうか。